聖グレゴリオの家のクリスマス!


24 (月・祝) 23:15 ミニコンサート
25 (火) 00:00 主の降誕 深夜ミサ
25 (火) 17:00 子供オペレッタ教室公演「魔笛」
28 (金) 18:00 音楽晩課

主の降誕 夜半のミサ 入祭唱
「Dominus dixit 主はわたしに仰せになった」
(Cod. Sang. 339, pag. 42, 10世紀頃)


待降節の終盤,12月17日の晩課から歌い継がれた,福音の歌(マニフィカト)の交唱,いわゆる「おお交唱*」は,今晩ですべて歌い終わりました。アドヴェント・クランツの4本のろうそくにもすべて火が灯りました。刻一刻と,主のご降誕の喜びが近づいています。

聖グレゴリオの家のクリスマスは,24日の晩,午後11時15分のミニコンサート(無料)にはじまり,小さな休憩ののち,グレゴリオ聖歌とパイプオルガン演奏で祝われる「主の降誕 夜半のミサ」(深夜ミサ)が続きます。文字通り「しずけき真夜中」に祝われる平安と静謐に満ちたクリスマスです(「しずけき真夜中」はミサの最後に歌われます)。ミニコンサートとミサ,ともにどなたでもご参加いただけますので,お誘い合わせのうえお越しいただければ幸いです。ミサ後は,あたたかい紅茶とお菓子をいただきながら,ドイツ製の木彫りのクリッペ(カッセル地方の伝統工芸品です)をごゆっくりご鑑賞ください。

◆ ミニコンサート・プログラムより
合唱「Egredietur Virga エッサイの株からひとつの芽が萌えいで」 (Jacob Handl 1550-1591)
リコーダー演奏「ソナタ集 忠実な羊飼い 作品13」より 第5番ハ長調 (Antonio Vivaldi 1678-1741, Nicolas Chédeville 1705-1782)
聖歌「もみの木**」(深津文雄編『こどもさんびか』より)
ほか

◆「主の降誕 夜半のミサ」よりグレゴリオ聖歌
入祭唱「Dominus dixit 主はわたしに仰せになった」
昇階唱「Tecum principium 統治はあなたたとともに」
アレルヤ唱「Alleluia. Dominus dixit アレルヤ 主はわたしに仰せになった」
奉納唱「Laetentur caeli 天は喜び」
拝領唱「In splendoribus 聖なる輝きのなかで」
ミサ通常唱「Missa IX Cum jubilo ミサ9番 喜びをもって」

25日の午後5時からは,オペレッタ教室に通う子供たちによるオペレッタが上演されます。今年はなんとモーツァルトの「魔笛」に挑戦。スリリングな展開をお楽しみに!28日の午後6時からの音楽晩課は,この一年への感謝の祈りとしてささげられます。年の瀬の慌ただしい時期ですが,ひとときのお祈りをぜひご一緒いたしましょう。


*「おお交唱(O Antiphonae / Antiphonae maiores)」は晩課(晩の祈り)の福音の歌(マリアの歌,マニフィカト)の交唱を指します。救い主イエスの誕生を待ちわびて毎日呼びかける嘆願の歌です。冒頭に「O おお」という歎息の声をあげることから「おお交唱」と呼ばれます。イエスへの呼びかけと嘆願の内容は毎日変わります。初日の12月17日は「知恵よO Sapientia」という呼びかけで始まり,「おお,すべてを越える神から出た知恵よ。あなたは果てから果てまで,すべてを力強くやさしく整えられる。賢明の道を教えに来てください。」と願います。同様に,18日は「Adonai おお,わが主よ」,19日は「O radix Jesse おお,エッサイの切り株よ」,20日は「O Clavis David おお,ダビデのかぎよ」,21日は「O Oriens おお,さしのぼる朝日よ」,22日は「O Rex gentium おお,諸国民の王よ」,最終23日は「O Emmanuel おお,インマヌエル(主はわたしたちとともにおられる)よ」と呼びかけて歌います。


**  聖グレゴリオの家で歌われる「もみの木 O Tannenbaum」は,よく知られたあの明るい旋律ではなく,深津文雄牧師(1909-2000)が1953年に発行した『こども聖歌集』に収載されている聖歌です。ドイツ・ウェストファーレン州に伝わる16世紀の民謡がもとになっています。

1. もみのきもみのき みどりのえだ
ふゆも なつも みどりのえだ

2. どうしていつでも みどりのえだ
ちちも ははも いまさぬみに

3. すくすくみごとな みどりのえだ
かみにまもられ みどりのえだ
(訳詞:深津文雄)

この聖歌に「極彩色のクリスマスにともにおどれぬ孤独な魂もこの歌には慰められよう。」と添え書きした深津文雄牧師は「底点志向」の理念と「かにた婦人の村」の創設で知られています。