【報告】ベルナール・フォクルール オルガンコンサート(1/14) & メッセージ

1月14日(土)にベルナール・フォクルール氏による「ヨーロッパ文化におけるオルガン音楽の多様性」と題するオルガンコンサート(聖グレゴリオの家と日本オルガニスト協会東日本支部との共催)が開催されました。12月末にはすでに販売予定枚数が終了していたこともあり、当日は満員のお客様で賑わいました。

演奏後には日本オルガニスト協会東日本支部のマスタークラスが開催されました。

コンサートの演奏曲目は下記の通りです。また、フォクルール氏から皆様にメッセージをいただきましたので、プロフィールとともに紹介します。


オルガンコンサート:ヨーロッパ文化におけるオルガン音楽の多様性

【ナポリ】 アントニオ・ヴァレンテ Antonio VALENTE(ca. 1520- ca. 1600)

松明の踊り Lo Ballo dell’Intorcia / フランドルのバス Bascia Flammignia / ロマネスカ La Romanesca

【ローマ】ジローラモ・フレスコバルディ Girolamo FRESCOBALDI(1583-1643)

トッカータ第5番  Toccata quinta sopra i pedali

フランドルのバスによるカプリッチョ Capriccio sopra la Bassa fiamingha

【アントワープ】ジョン・ブル John BULL(1563-1628)

サルヴェ・レジーナ Salve Regina-

めでたし元后よ Salve/  御身に向かいてわれらは叫ぶ Ad te clamamus/  いざ、われらの代願者よ Eia ergo/ おお、寛容 O clemens/ 後奏 Pro fine

【セヴィリア】フランシスコ・コレア・デ・アラウホ Francisco CORREA DE ARAUXO(c. 1575-1654)

第2旋法によるティエント第2番  Tiento 2 de secundo tono

第2旋法による高音部のソロのティエント第59番  Tiento 59 de medio registro de tiple de segundo tono

【リューベック】ディートリヒ・ブクステフーデ Dietrich BUXTEHUDE(1637-1707)

パッサカリア ニ調 BuxWV 161  Passacaglia in d

【リューネブルク】ゲオルク・ベーム Georg BÖHM(1661-1733)

天にましますわれらの父よ  Vater unser im Himmelreich

 【ライプツィヒ】ヨハン・ゼバスティアン・バッハ Johann Sebastian BACH(1685-1750)

前奏曲とフーガ ハ長調 BWV 547   Praeludium und Fuge C dur


<ベルナール・フォクルール氏からのメッセージ【翻訳】>

聖グレゴリオの家を1月に訪れることができたのは、たいへん嬉しいできごとでした。

そして、(講師である)ジャン=フィリップ・メルカールト氏による招きを受けた光栄にも感謝しています。

私はこのオルガンに触れて驚きました。世界中で高名なオルガンビルダーであるユルゲン・アーレント氏が製作した中でも最高の楽器だと思っています。

さらに、コンサートやマスタークラスにお越しくださった聴衆、そしてオルガン奏者の皆さんの数と質の高さを感じることができ幸せでした。

マスタークラスに参加した3人のオルガニストたちが、相当な準備をしたうえで演奏してくれたこと。その才能にも敬意を表します。

私の希望は、聖グレゴリオの家が教会音楽の分野で継続的にますます発展されることです。それが、日本における芸術性と霊的な生命を放つ可能性を持ち、特別な存在価値を高めることだと思います。

<オリジナルのメッセージ>

I was absolutely delighted being at St Gregorius House in January!

And also, very grateful to Jean-Philippe Merckaert for his invitation.

I think this organ is amazing: Jürgen Ahrend was the best organ-builder worldwide, and this instrument is one of his best organs!

In addition to this, I was very happy to see the number and the quality of the spectators who attended the concert and the masterclass.

I also appreciated the talent and the good preparation of the three organists who had prepared a piece for the masterclass.

My hope is that St Gregorius House will maintain and develop activities in the field of sacred music: it has a very special identity that can be helpful for the artistic and spiritual life in Japan!

コンサートの様子

コンサート後に催された日本オルガニスト協会東日本支部のマスタークラスでの一コマ。


ベルナール・フォクルール プロフィール

1953年リエージュ(ベルギー)生まれ。70年代半ばからオルガニストとして国際的なキャリアをスタートさせ、ルネサンスから現代音楽まで幅広いレパートリーを演奏。J.S. バッハやD. ブクステフーデのオルガン作品全集を含む、ルネサンスから現代音楽まで50枚以上にわたるCD録音を行っている。1992年にブリュッセルのオペラハウス「王立モネ劇場」の総監督に就任し、2007年まで同職を務めた。2007年から2018年までエクサン・プロヴァンス・フェスティバルの芸術監督を務めた。2017年、ロンドンで開催された国際オペラ賞でリーダーシップ賞を受賞。また、2009年から2019年までブリュッセル王立音楽院のオルガン科教授を務めた。作曲家としては、声楽とオーケストラ、室内楽アンサンブル、ピアノを組み合わせた作品を数多く書いている。最新作のオペラ『カサンドラ』は、2023年9月に初演予定。モントリオール大学及びエクス=マルセイユ大学の名誉博士。