【報告】ニクラス・ヤーン オルガン演奏会(9/13)

ドイツ・フルダ出身で、現在ドレスデン聖母教会のオルガニストであるニクラス・ヤーン Niklas Jahn氏のオルガンコンサートが9月13日(土)、聖グレゴリオの家聖堂のアーレントオルガンで開催されました。

 

「凄く繊細な音でした」「アーレントオルガンが持つ響きの美しさがあふれた演奏会でした」「モーツァルトがとても良かった」「一つひとつの音がとてもクリアーな響きだった」などの感想をいただきました。

2年前の9月に開催された武蔵野市国際コンクールで優勝した若きオルガニストは、昨年11月よりドイツ東部にある歴史ある街、ドレスデンの聖母教会Frauenkircheのオルガニストに就任し、生活の場を移しています。

今回は、武蔵野市民文化会館、ミューザ川崎コンサートホール、盛岡市民文化会館での公演を終えた後、12日午前の新幹線で再び東京に戻りました。昼過ぎに聖グレゴリオの家を訪れると昼食をとり、さっそくリハーサル。さらに2人のアシスタントとともに入念にストップの確認を重ねました。

特にヤーン氏の故郷フルダは、聖グレゴリオの家にとっては創設者であるゲレオン・ゴルドマン神父が眠っている特別な街です。彼は2年前のコンクールの際に聖グレゴリオの家と修道院との関わりを知り、フルダに帰省した際、フラウエンベルク修道院の墓地を訪れたことを話してくれました。

当日は演奏会の後、サイン会も催されました。

そして翌日に執り行われたミサでも閉祭後の後奏で、J. S. Bach (1685-1750): Fuge in G-Dur BWV 541を演奏し、次の予定地である軽井沢に移動しました。

その後、15日に軽井沢での演奏会終了後東京に戻り、国立競技場で開催されていた陸上競技の世界選手権(世界陸上)を15日と16日のイブニングセッションを観戦したそうです。

男子棒高跳びの世界記録保持者A.デュプランティス選手による6m30cmの記録更新に興奮したことを語っていました。学生時代に陸上競技で、短距離走ややり投げ選手だった経験もあるとのこと。スポーツを愛する彼は、今もランニングが好きで、いろいろな街を訪れては時間があれば走ることを趣味としているそうです。

これからますますのご活躍を祈っております。


今回のコンサートは、聖グレゴリオの家聖堂のアーレントオルガンに合わせた特別な選曲でした。

【プログラム前半】

J. S. Bach (1685-1750): Präludium und Fuge in d-Moll BWV 539

Heinrich Scheidemann (1595-1663): Toccata in G-Dur

J. S. Bach: Jesu meines Lebens Leben BWV deest

J. S. Bach: Erhalt uns, Herr, bei deinem Wort BWV Anh. 50

J. S. Bach: Allein Gott in der Höh BWV deest

Johann J. Froberger: Fantasia I. sopra Ut, Re, Mi, Fa, So, La

【プログラム後半】

Georg Muffat (1653-1704): Toccata Septima (Apparatus musico-organisticus

J. P. Sweelinck (1521-1621): 6 Variationen zu „Mein junges Leben hat ein End“

J. S. Bach (1685-1750): Triosonate Nr. 1 in Es-Dur BWV 525 – II. Adagio

W. A. Mozart (1756-1791): Andante in F-Dur KV 616

D. Buxtehude (1637-1707): Passacaglia in d-Moll BuxWV 161

J. S. Bach (1685-1750): Fuge in G-Dur BWV 541


 

※ 演奏会チラシはこちら


ニクラス・ヤーン Niklas Jahn プロフィール

ドイツ・フルダ出身のオルガニスト・指揮者。

2014年から2016年、早期入学生としてマインツ音楽大学でハンス=ユルゲン・カイザーにオルガン演奏と即興演奏を学ぶ。2016年から2021年、同大学学士過程でゲルハルト・グナンとハンス・カイザー等のもと、オルガン演奏、教会音楽、指揮を学ぶ。2021年から2023年、フライブルク音楽大学修士課程にて、マティアス・マイヤーホーファー、ダヴィッド・フランケ、ヴァンサン・デュボワの各氏のオルガンクラスで、オルガン演奏と即興演奏を学ぶ。

第32回セント・オーバンス国際オルガン・コンクールのオルガン即興部門(第1位)、第9回武蔵野市国際オルガン・コンクール(第1位、レーベル「ナクソス」とのレコーディング契約)、第53回ハールレム国際オルガン即興コンクール(ファイナリスト)、第13回コルシェンブロイヒ国際オルガン・コンクール(第1位)など、国際的に有名なオルガン・コンクールで数々の賞を受賞している。また、マインツ・ロータリー・クラブより文化振興賞、フライブルク音楽大学振興会より博士課程のための支援賞を授与される。

フルダ大聖堂、フライブルク大聖堂、マインツ大聖堂等でオルガニストのアシスタントを務め、マインツ・バッハ合唱団、フライブルク・バッハ合唱団、カメラータ・ヴォカーレ・フライブルクなどのアンサンブルで指揮者のアシスタントや伴奏者を務め、研鑽を積む。

2023年から2024年まで、ザールブリュッケンのザール音楽大学でオルガン演奏と教会音楽、即興演奏の講師を務め、24/25年冬学期には、代理教授としてフライブルク音楽大学で即興演奏を、また現在は、ワイマールのフランツ・リスト音楽大学で即興演奏と教会音楽を教えている。

2024年12月1日、世界的に有名なドレスデンの聖母教会のオルガニストに就任した。

すでに国際的に活躍の場を広げており、日本、イギリス、フランス、オランダ、リヒテンシュタイン、オーストリア、ポーランド、ポルトガル、イタリア、スイスなどの国々で演奏活動を行っている。