【報告】教会音楽科演奏会を開催しました(5/28)
教会が生まれた聖霊降臨祭(ペンテコステ)の祝日である5月28日。14時30分から恒例の「教会音楽科演奏会」を開催しました。
コロナ禍後では初めて公開演奏となり、多数のお客様を招いた中での発表の場となり、卒業生たちも数多くお見えになりました。
まず、コロナ禍でできなかった合唱曲2曲の演奏で始まりました。オルガン第1部は5人、7人の独唱、さらに6人によるオルガン第2部という構成で盛りだくさんのプログラムでした。2回の休憩をはさんで終演時間は17時過ぎ。2時間半に及びました。
この演奏会に参加したのは聖グレゴリオの家で誠実に学ぶ現役の生徒13人。それぞれが、声と、指と足で奏でるオルガンの響きが聖堂内に響き渡りました。それぞれの音楽には、各々異なる役割や条件があります。オルガンは、一曲にたっぷり時間をかけて自ら練り上げ、音楽を仕上げていくもの。とくに、鍵盤とペダルを同時に練習できる機会は限られており、個人で練習室に籠って黙々と繰り返しています。声楽は、グレゴリオ聖歌は独唱ですから自ら練習することにより仕上げることができますが、伴奏つきの曲はオルガン伴奏者と共に作り上げていく作業です。それぞれの都合でなかなか合わせる時間がない方もいます。合唱についていえば、水曜日と木曜日の組に分かれそれぞれの授業で学びます。2組のメンバーが、この日の本番直前にわずかな時間で合わせます。そのため、いわば声が倍増することになり、新しいメンバーと声を合わせることや、並ぶ位置が変われば、環境や響きが変化し、そのぶん注意力が必要になるのです。
教会音楽科で数年間学ぶなかで、この1年かけて通じて身につけた演奏の一つひとつ。指導してきた講師の先生たちもひとかたならぬ想いを寄せてくださいました。一人ひとりの努力の甲斐あって、暗譜でグレゴリオ聖歌を歌う姿、オルガンで見事にフーガを仕上げたなど、演奏後に受けた拍手におもわず喜びと安堵の表情が数多く見受けられました。それぞれの個性があふれる豊かな時間でした。(H)
《橋本周子先生所長からの終演後のメッセージ》
演奏会においでくださった親族、卒業生の皆さんに感謝します。ありがとうございました。
在校生の皆さんはこのような多くの方々に支えられていることに感謝しましょう。このような方々に支えられて今日があることを忘れないでください。その方々がいなければ私たちは思い切りできなかったでしょう。自分の力でなんとかなると思うかもしれませんが、私たちは見えない力の支えがあるからできるのです。
涙が出るほど嬉しくてありがたいと思いました。演奏会のことを忘れずに来てくださった卒業生の皆さまを嬉しく思います。在校生の皆さん、色々なことに気づいてお話もしたかったのですが、一つだけ言わせてください。
私たちは見えないことを通して神様に近づいていきます。見えない音を通して、この作曲家はこの曲で何を訴えようとしているかを考えてみてください。大切です。星の数ほど、私たちは一人ひとり違うのです。だから他人と比較しないでください。自分自身を自ら築いて行ってください。今日演奏で失敗したとして、こんなはずではなかったと思うかもしれません。機械ではないから失敗は当たり前です。そして、音楽を通して、また礼拝の音楽を通して、見えない世界を通して、見えない世界に近づいていきましょう。私は私なのです。他人と比べる必要はありません。見えない世界を通して、見えるものにしていきましょう。そのことを言いたかったのです。
それからもう一つ。音楽をしていたら、皆さんは喜べるはずです。合唱に出てくる時、まるで皆さんが不幸にあったようでした(笑)。どうしたの? 私たちはイエス・キリストを知っているのですから・・・・。
本日はありがとうございました。
◆演奏曲目を紹介します
演奏会で発表された作品を、合唱曲、声楽曲、オルガン曲に分けて紹介します。
合唱曲 ───
A.コスタンティーニ (c.1581~1657)
・主に感謝せよ
W.A.モーツァルト(1756~1791)
・オルガン・ソロ・ミサよりキリエKV. 259
オルガン曲 ───
J.S. バッハ(1685~1750)
・前奏曲とフーガ ハ長調 BWV531
・前奏曲とフーガ ハ長調BWV547
・前奏曲とフーガ 変ロ長調BWV 560
・フーガ ト短調 BWV 578
・古き年は過ぎ去りぬ BWV614
・来ませ創り主 聖霊なる神よBWV667
J.ブラームス(1833~1897)
・わが心は喜びに満ちて 『11のコラール前奏曲集』Op.122-4より
J-A.ギラン(1680〜1739)
・『第2旋法の組曲』より
前奏曲・テノールをティエルスで・デュオ・トランペットのバス・ディアローグ
J.パッへルベル(1653~1706)
・プレルーディウム ホ調
H.パーセル(1658~1695)
・エア ニ短調ZT676
J.G.ヴァルター(1684~1748)
・主イエス・キリストよ、我らを顧み給え
声楽曲 ───
グレゴリオ聖歌
・天よ、露を滴らせよ 待降節第四主日 入祭唱
・麗しさの極みシオンから、神は顕現される 待降節第2主日 昇階唱
D.ブクステフーデ(1637~1707)
・祝福あれ 救い主の御脇腹よ 『我らがイエスの御体』BuxWV75より
P.コルネリウス(1824~1874)
・賢王たち 『クリスマスの歌』op.8−3より
C.フランク(1822~1890)
・天使の糧 『3声のミサ曲 作品12』FMV67より
G.F.ヘンデル(1685〜1759)
・アーメン,アレルヤHWV 276
・きらめき揺れ動く波の輝きは 『9つのドイツアリア』HWV203より
・わたしは知っている 『メサイア』HWV56より
H.シュッツ(1585~1672)
・いつも、わたしは主をたたえ 『小宗教協奏曲集 第2部』SWV306より
・おお、慈愛に満ちるイエスよ 『小宗教協奏曲集 第2部』SWV 309より 以上