【訃報】グレゴリオ聖歌の世界的研究者 ゴーデハルト・ヨッピヒ氏

グレゴリオ聖歌の世界的研究者で長く指導としても活躍されたゴーデハルト・ヨッピヒ Godehard Joppich(1932年、ブレスラウ生まれ)が12月19日、ドイツヘッセン州ハーナウ近郊のローデンバッハで逝去された。92歳だった。

ヨッピヒ氏は聖グレゴリオの家にも1990年代半ばから何度も滞在された。

講習会での講演をはじめ、聖歌隊(カペラ・グレゴリアーナ)も指導を受け、さらに数回に及ぶグレゴリオ聖歌録音の指導もされた。

①主の受難(1994年10月録音)

②主の復活(1996年5月録音)

③レクイエム(2002年1月録音)

④2つのミサ:待降節第1主日/新年第9主日(2009年)

※演奏はカペラ・グレゴリアーナ


ゴーデハルト・ヨッピヒ氏の略歴

1932年    ブレスラウ(現ポーランドのヴロツワフ)に生まれる。

1957-1962年、哲学と神学を勉学。博士号(神学)取得。

1965-1972年、ローマにおいてE.カルディーネのもとでセミオロジー(記号解読解釈学)を学ぶ。

1970-1990年、ベネディクト会ミュンスターシュヴァルツッハ大修道院主席

聖歌隊長を務める。

1972-1980年、ミュンヘン音楽大学の非常勤講師を務め、「グレゴリオ聖歌学」を担当する。

1980-1993年、エッセン・フォルクヴァンク音楽大学教授、「グレゴリオ聖歌学」と「典礼学」を担当する。

1980-1984年、クレモナにおいて開催の「『グレゴリオ聖歌学』のインターナショナル講座」の講師を務める。

1984-1989年、エッセン大学の「『グレゴリオ聖歌学』と『古書体学』のインターナショナル講座」と「講師ゼミナール」を主宰する。

また国内外の様々な大学(ハノーファー大学、フランクフルト・アム・マイン大学、ウィーン大学、グラーツ大学、トリエステ大学)において、「グレゴリオ聖歌学」の講義を委嘱される。

1977-1992年、アレッツォ(イタリア)で開催の国際合唱コンクールの審査委員を務める。

セミオロジーについての出版物多数。ミュンヘンの声楽アンサンブル「シンフォニカー」と共にグレゴリオ聖歌コンサートをドイツ、イタリア、フランス、スイス、ルクセンブルクで行う。合唱団「フランクフルト・コラールスコラ」指導。多数のCD録音を行う。そのうちの20枚は、グレゴリオ聖歌(ラテン語)である。