【報告】教会音楽科2023年度Ⅰ期がまもなく終了

聖グレゴリオの家教会音楽科の2023年度が始まった9月下旬からすでに約2か月が経過し、第Ⅰ期が終わりに近づいています。

教会音楽科で学ぶ生徒さんたちは現在、職業も年齢もさまざまです。すでにリタイヤされている方もいれば、主婦、自営業や、会社等に勤務しながら有給休暇を取り、ウィークデーの一日を教会音楽科で学ぶ時間に充てる方もいらっしゃいます。

また、今年度入学した6人の生徒さんはいずれも比較的近い東京周辺から通学しています。在校生には東北、四国、近畿方面の遠方から東久留米まで通っている方々がいます。その中には、授業の数日前から予習する時間を確保し、聖

グレゴリオの家の簡易宿泊施設を利用、ホテルなどに宿泊して授業に備える方もいます。時として、授業などの都合で帰り時間が遅くなるため宿泊する場合もあります。そして、聖堂や3台あるオルガン練習室でのオルガン練習に充てるため、早朝からあるいは夜の制限時間いっぱいまで、籠って熱心に練習する姿を見受けます。

◆1年を3期に分けています

教会音楽科の1年間は、教会暦を目安にして3期に分かれています。生徒さんが教会に所属して奏楽奉仕などを担当しているため、大切な行事の奉仕のために差支えないよう配慮しています。

Ⅰ期:9月末からアドヴェント前までの12月初旬まで(今年は11月29、30日まで)

Ⅱ期:1月中旬からイースター前の3月中旬まで

Ⅲ期:イースター明けの4月から6月下旬まで

各期とも9から10回、年間で合計39回(週)の授業を受けて1年間学びます。そして1年の集大成として、5月下旬の在校生による演奏会、6月下旬の卒業生による修了演奏会で学期が終了します。

外部の方が授業の様子を間近に見学することはできません。ただ、毎年4月中旬にオープンスクールを開催しています。入学を検討している方々にとっては、授業やレッスンの様子を実際に見学し、ご自身で確認したうえで入学を決めるという貴重な機会となっています。2024年のオープンスクールは4月17・18日を予定しています。

◆始業前、朝の祈りを大切に

本科生は、水・木曜日の授業開始前、それぞれのグループに分かれて聖堂での朝の祈りから始めます。オルガンによる前奏、西洋音楽の原点であるグレゴリオ聖歌を用いた小応唱、カトリック聖歌(讃美歌)などを取り入れています。奏楽、聖書朗読、先唱などの役割は毎週、在校生がローテーションを組んで担当しています。新入生はまずこの習慣を身につけることから始まり、先輩たちからいろいろな手ほどきを学びます。だんだん慣れてくるⅢ期あたりから新入生もローテーションに加わるようです。また奏楽担当者は、自分が担当する時のために、スケジュールの空いている時間を見つけ、オルガン練習室を予約して熱心に練習しています。

ここ数年はコロナやインフルエンザの感染でたいへんな時期を過ごしました。感染などは少なくなったとはいえ、当日の体調不良などで突然の欠席になること、時として家族の事情などで長期欠席を余儀なくされることも起こります。当日朝、その都度担当を変更しなければならならず、大慌てになることもありますが、皆で協力しカバーし合い、メンバーが欠けて少人数になったとしても、この朝の祈りの時間がとても大切なのです。

聖グレゴリオの家では、「人間が行う活動の力の源泉は、典礼から流れでる」と繰り返し語った創立者のゲレオン・ゴルドマン神父の精神を基本に典礼を大切にしています。典礼の時間を共有し、また実践することを通して、ともに神に祈り音楽を捧げる教会音楽科の学びの基盤があるからです。毎週の積み重ねによって、発せられる音楽の習熟度を増す過程も大切な訓練となっているのです。

これからも引き続き教会音楽科の様子を折を見てお伝えしていきます。