【報告】オブラーテメンバーにハビエル神父が講話
ドイツのザンクト・オッティリエン修道院からミッションベネディクトとしてアフリカ諸国、中南米、アジアなど、年間の2/3を世界中を巡り霊的な指導をしているハビエル神父が、2月8日から12日まで聖グレゴリオの家に滞在しました。
滞在中の10日(土)は午後からオブラーテの会のメンバーを対象に講話をしてくださいました。20人以上の方が参加してくださいました。講話の後、聖堂で晩課をともに捧げました。
講話の概要を紹介します。
2024.2.10
オブラーテへのハビエル神父の講話
祈りの霊性「定時課の観想的霊性」
まず「観想」という言葉を、「神が見ておられるように見ることを学ぶ」と定義づけられ、その後「時課の典礼の修道院的霊性」として、下記の1.と2.を話されました。
1. 祈りへのアプローチとしての沈黙と傾聴
『聖ベネディクトの戒律』の最初の言葉は「聴く」。耳を傾けるのは、その言葉、テキストのみではなく、その背景、救済史、私自身のこれまでについて、この言葉は私たちを敬虔に、進んで、謙虚に聴くことへと導く。
オプス・デイとは、修道士/クリスチャンの生 活における二つの基本的な態度の実践。一つは耳を傾ける、もう一つは従順を学ぶ。
「もし今日、あなたたちが神の声を聞くなら、メリバのように心をかたくなにしてはならない」
2. 時課の観想的次元
祈りとは、私たちが世界を見るためのフィルター。
まず第一に、正しく理解され、実践される祈りは、私たちを取り巻く世界の只中に神を発見するよう導く。神は今ここに、私たちの個人的な歴史の今ここに、そして何よりも、時 の典礼を祝うとき、私たちの共同体の歴史の今ここに。そして本当に大切なことを忘れないようにしましょう。わたしたちは何のために創られたのか:「わたしたちの主である神を賛美し、礼拝し、仕えるため」(聖イグナチオの言葉)。
祈りの特徴:規則的、普遍的、回心の呼びかけ、観想的、共同体的
・ 神と日々対話し、神に耳を傾けることが大切。
・そのために継続的かつ定期的に祈りの時を探し見つけること。
・聖書についてさらに考察すること
・祈りとはプロセスであり、旅であって、儀式的な実践を果たすことではない。
・すべての祈りは観想的なもの。祈りは私たち自 身が神によって観想されるように招き、神が世界を観想するように私たちを観 想に誘う。
・態度や行動を変えることは、祈りの直接的な実り。
・目的意識、ある種の共同体的な感受性は、すべての祈りの起源であり目標。祈りの専門家になるのではなく、全人類が神に近づき、神の存在をより意識するようになることを祈る。
結論
私たちの人生は、神への探求によって決まる。だからこそ、神のことばに日々触れることは、最初から霊性の本質的な要素の一つ。
祈りは、私たちが人生を、あるべき姿ではなく、ありのままに見る助けとなる。しかし、祈りはまた、私たちが人生をより良いものにする助けにもなる。キリストの祈りとしての祈りは、歴史の糸を導いておられるのは神であ るということを悟らせる。私たちは、なぜ世界がそのようになっているのかを理解するために祈る。無視せず、目を背けず、拒絶せず、否定しないように祈る。祝賀の香りが消えても、そこ(聖堂)は神がご自身を現す神聖な場所であるとして見続けることができるように祈る。
【オブラーテについて】
聖グレゴリオの家には「オブラーテOblaten」と呼ばれる、献げられた者、贈られた者というもともとの意味を持つ献身者のグループ(共同体)があります。
聖ベネディクトの戒律として知られる「Ora et labora 祈れ、働け」に倣い、「日々神を探し求め」キリストに従って生活することを誓っています。修道院ではなく日常の生活のなかで、神の声に耳を傾け、神の招き、神の要求する声を聴きながら生活している群れです。
聖グレゴリオの家は、ドイツ・ミッション・ベネデイクト会ザンクト・オッティリエン修道院と結ばれています。ここでは宗派、年齢、男女、教区の司祭、助祭など一切関係なく、オブラ―テになることが出来ます。志願して1年間を過ごしたのち正式にオブラーテとして誓願します。
聖グレゴリオの家のオブラ―テは現在39名おります。週末の祈りに、可能な限り参加するよう心がけています。毎年夏と冬に「祈れ働け」をモットーに黙想の日を自発的に行ってきました。また年に1回はザンクト・オッティリエン修道院から司祭が見えて霊的指導を受けているほか、これまでキ―ムゼーの女子ベネディクト会とのコンタクトを持ち、黙想指導などを受けてきました。日本でのオブラーテの交流が大切と考えています。