【追悼】橋本周子先生からのハガキ(蓮沼直太) 

【橋本周子先生はがき

まだ世間が「コロナ禍」にあり、イタリアなどで多くの死者数を数え、そのなかにはご高齢の司祭などが含まれていた世界が混迷に満ちていた頃コロナの正体もはっきりせず、闇雲に世界的なパンデミックだった「スペイン風邪」と比較し、人々が、ワクチン接種のみが唯一の打開策であった頃わたしは、橋本先生に、おもむろに「葉書」を書きました。

橋本先生と面識はないこと、FEBC放送の番組でグレゴリオ聖歌を知り、その「グレゴリオ聖歌」という名称にてGoogle検索をして「聖グレゴリオの家」を知って、はじめて赴いたカトリックの教会、その御ミサに与ったのが、忘れもしない、815日、聖母の被昇天、聖グレゴリオの家における、グレゴリオ聖歌が響く会堂でのことであったこと

そんなことを、書き送りました。時期的には、暑中見舞いの頃であったと思います。

そうしたらば、聖グレゴリオの家が写った写真を「はがき」として、橋本先生は、ご親切にも、この私に、お葉書を下さったのです。コロナに感染していないか?という安否確認から始まり、とても先生の御言葉として印象的だったのは『ひとつだけ私にとって良い結果を持てたことは静かな時を味わったことです』でした。

 たしかに、皆が「コロナ」を避けて外出を控え、自室に留まるようになった結果、まるで毎日が黙想会でもあるかのような、静寂の日々が、わたしたちキリスト者にもたらされたのでした。今、命にも増して、本当に大切なものはなにか?それを思い起こされた気が致しましたのを、今でも、覚えております。
東京都 蓮沼直太様より