【報告】第41回教会音楽科修了演奏会を開催 (6/25)

聖グレゴリオの家教会音楽科の本科と専攻科を今年度卒業する生徒4名による「第41回教会音楽科修了演奏会」6月25日(日)に開催しました

本科生では有田純子、渋井みさ子の2名、専攻科からは土屋真穂、清水真理子の2名、合わせて4名が声楽曲とオルガン曲を演奏しました(演奏曲目の一覧を文末に別記しました)。

今回はコロナ明けということもあり、出演者の関係者を中心に聖堂がほぼ満席になるほど多数の方にご来場いただきました。声楽曲の演奏では、無人だったリハーサルとは異なり、多くの聴衆を前に残響の少なさに戸惑いながらも、4人それぞれがこれまで数年間聖グレゴリオの家で学んできた音楽を披露してくださいました。

演奏後は、恒例の修了証書及びディプロマが橋本周子所長から授与される式典がありました。また、昨年ディプロマを取得しながら、コロナ禍でレーゲンスブルク音楽大学のバイヤー学長が来日できずサインと印判を記せなかったため、証書を受け取ることができなかった卒業生にも手渡されました。おめでとうございます。

 

 

 

 

 

 

 

【橋本周子所長からのメッセージ】

「聖グレゴリオの家の演奏会のために、暑い中多くの方に来ていただき感謝します。

こちらの教会では初めから終わりまでラテン語でミサを挙げています。毎主日に決まった入祭唱や答唱詩編などを歌い、司祭によってはそれに歌をつけ、間にオルガンを入れたりして祈ります。このことは決して旧いものがいいという懐古趣味ではありません。多くの詩編を歌います。ほとんどの典礼の中で毎回、詩編は考えられないほど新しい信仰の恵みを与えてくださいます。今読んでいるアビラの聖女テレジアについて書かれた『霊魂の城』という本には、霊の世界には透き通った数えきれないほどの音の部屋があって、その一番奥にキリストがいらっしゃる。ひょっとすると会えないかもしれない。5月の演奏会の時、一人ひとり違うのだから、隣の人と比べてはいけない、人の真似をしないでくださいとお話しました。一人ひとりそれぞれにイエス・キリストがいらして、私たちが知らない、気がつかない間に、一人ひとりに光を当ててくださっています。不思議なことですが、キリストに出会うということは、そういうことなのです。キリストは奥の奥にいて、ある時あなた方の近くにいて、必ず会うことができるのです。その日まで、私たちはキリストの光を求めて、あなたの音楽や行いを探してください。私は毎朝、生きながらえて感謝するのですが、すぐに忘れてしまいます。『マニフィカト』にある、”Nun an”(今からのち、よろず世に至るまで)人々は幸せなものと呼ぶのです。どんなに失敗しても問題ありません。消えてゆくのですから。

透き通った霊の城のどこかにイエス・キリストがいらっしゃる。キリストの光を探し求めてください。あなたがたの光り輝く音楽を目指して、あなたの音楽は聴いている人に幸せをもたらすでしょう。イエス・キリストに照らされた者として、探し求めてください。

あなた方の友人、先生たち、家族の助けがあったはずです。多くの恵みに本当に感謝しましょう。この3年間の今日の良い日、感謝、家族、友人、先生たちに感謝を込めて皆さんで最後に”Confitemini Domino”を歌いましょう。皆さん立派に演奏してくださいました。ありがとうございました」。

演奏会終了後には、コロナ感染拡大以降としては初めての懇親会も開かれ、在校生、卒業生、お世話になった講師とともに、終始和やかな雰囲気でしばし演奏会やここで学んできた余韻に浸っていました。

教会音楽家として巣立っていく皆さんのこれからのご活躍を、一同心から祈り願っています(H)。

<演奏曲目一覧>

【声楽曲】

グレゴリオ聖歌

・「アレルヤ 潔き殉教者のむれ」

・主の降誕の祭日 日中のミサ グラドゥアーレ

「地の果てまで、すべての人は神の救いを見た」

・待降節第2主日 グラドゥアーレ

「麗しさの極みシオンから」

A.メンデルスゾーン(1855~1933)

・「天の父よ」 (主の祈り)

G.B. ペルゴレージ(1710~1736)

スターバト マーテル(悲しみの聖母)より

・1.「悲しむ聖母がたたずんでおられた」(ソプラノとアルトのための二重唱)

・4.「聖母は悲しみ苦しまれ」(アルトソロ)

A. ベルナルディ(um.1580~um.1638)

・「おお、愛しいわが最愛の方よ」

J.S. バッハ(1685~1750)

『ヨハネ受難曲』より第9曲(ソプラノアリア)

・「わたしは喜びの足どりであなたに従います」

木下牧子(1956~)

・「夢みたものは…」 詩:立原道造(1914~1939)

【オルガン曲】

J.S. バッハ(1685~1750)

・プレリュードとフーガ ホ短調 BWV533

G.ベーム(1661~1733)

・パルティータ「主イエス・キリストよ、我らを顧みたまえ」より3番、6番

F.メンデルスゾーン・バルトルディ(1809~1847)

・プレリュード ハ短調

・ソナタ第1番 へ短調

以上